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このブログは、私の書いた小説、およびテキトーな呟きを洩らしていくようなテキトーブログです。肩だけでなく全身の力を抜いて、楽しんでくださいね!!

 

小説

2014年02月08日 22:59
【星熊勇儀】  モノを考えるのは少し苦手だ。頭が痒くなる。とはいえこの頃の出来事は少々考えなくてはならない事が多いのだ。  考える事はもっぱらあの時の緑色の眼の少女の事だ。あの僅かな微笑みが頭から離れない。その後深く酒を飲み、翌日になってもあの微笑みが頭から離れなかった。 「ああ、あれは橋姫ですよ。変わり者です」  そう言ったのは私の屋敷で働く黒谷ヤマメだった。家が近く、よく話すらしい。 「変わり者ってなんだい?」 「あいつは元々人間だったのですよ。それが人を恨みに恨んで妖怪になった、と聞きます。こういう手合いはそういませんからね」  ヤマメはそういうと笑って、でもイイやつですが、とだけ付け加
2014年02月08日 22:56
【水橋パルスィ】 「おうおう、豪勢だねえ」 「全くだ。流石豪奢と噂の星熊様。花見一つでも豪勢であられる」  家の前で妖怪の二人組が喋っているのが聞こえる。二人とも顔見知りだ。出て顔を負わせると会釈し、私は前を向いた。  それはまさに豪勢という言葉を絵にしたような光景だった。金銀で彩られた籠には美女が乗っているのだろう。山海の珍味を集めた車は見ているだけで垂涎モノだ。そしてその中に置いても何より観衆の目を奪うのは、参列の真ん中、四人の鬼が担ぐ輿に乗った女性だった。  輿の上で胡坐をかきつつ徳利を傾ける姿は、それだけで浮世絵のネタになるような艶かしさを放っている。しかしそんな雰囲気を醸しつつもどこ